東京マラソン2025
東京都、2025年3月2日

こんにちは。市民マラソンから世界選手権まで取材しているマラソン専門ライター、田中健吾です。今回は、国内最大級の都市型マラソン「東京マラソン2025」について、初心者の方にもわかりやすく、出場方法や観戦のポイント、注目選手まで詳しくご紹介します。マラソンが初めての方も、この一記事で大会の全体像が把握できるはずです。

東京マラソンとは何か?その魅力と特徴
世界六大マラソンのひとつ
東京マラソンは、ボストン・ロンドン・ベルリン・シカゴ・ニューヨークと並ぶ「ワールドマラソンメジャーズ(WMM)」に属し、世界のトップランナーが集結する国際大会です。2007年の初開催以来、エリートランナーと市民ランナーが同じ道を駆け抜ける都市型マラソンの先駆けとして、多くの市民の支持を得ています。
他大会との違い
東京マラソンの大きな特徴は、沿道の応援の熱さ、都心の名所を巡るコース、そして記録の出やすさです。さらに、チャリティランナー制度や仮装参加者への寛容な文化もあり、競技者だけでなく観客にとっても“お祭り”のような魅力があります。
また、夏に開催されるHOKURENディスタンスチャレンジ2025とは異なり、都市の魅力とマラソンを融合させた一大イベントです。
開催日程と会場・コース概要
いつ、どこで行われるのか?
東京マラソン2025は、2025年3月2日(日)に開催される予定です。スタート地点は東京都庁前、フィニッシュは東京駅前の行幸通り。例年通りのコースを踏襲する見通しで、都内の主要エリアを巡る42.195kmのフルマラソンとなります。
コースの見どころと難所
コースには靖国通り、浅草雷門、日本橋、銀座、築地、芝公園など東京のランドマークが次々と登場。フラットな構成でPB(自己ベスト)更新を狙える一方、終盤の折り返し区間でペースが乱れやすく、駆け引きが重要です。
スタート・フィニッシュ地点の詳細(表)
地点 | 位置 | 特徴 | 最寄駅 |
スタート | 東京都庁前 | 都庁を背景にスタート、道路が広くて混雑緩和 | 新宿駅・都庁前駅 |
中間点 | 日本橋交差点 | 折り返しと応援ポイントが多い | 三越前駅・東京駅 |
フィニッシュ | 東京駅前・行幸通り | 皇居と丸の内を背景にゴール、景観が美しい | 大手町駅・二重橋前駅 |

出場資格と抽選方法
市民ランナーの参加方法
東京マラソンの定員はおよそ38,000人。うち25,000人前後が市民ランナー枠となっており、一般枠はインターネット抽選方式です。2024年8月ごろからエントリー受付が始まり、当選発表は10月予定。
チャリティ・準エリート枠など
日本陸連登録選手には準エリート枠、寄付金を伴うチャリティ枠、過去落選者優先枠など多様な参加ルートがあります。特にチャリティ枠は年々人気が高まり、社会貢献とランニングを結びつける好例として注目されています。

エリート選手と日本代表候補
招待選手の選考基準と実績
世界陸上・五輪出場経験者や、直近のフルマラソンで好記録を出したランナーが招待対象となります。男子では2時間5分台、女子では2時間20分前後が国際招待の目安です。
注目の日本人選手たち
男子は大迫傑、女子は松田瑞生や一山麻緒などが注目候補です。これらの選手は、同年秋に開催される第20回アジア競技大会(愛知・名古屋2026)の日本代表選考にも深く関わると見られています。
第20回アジア競技大会との連動で、国内主要選手の出場スケジュールがますます重要になっています。
パラマラソンとインクルーシブな取り組み
パラアスリートの部門と支援体制
東京マラソンでは視覚障害、車いす、上肢・下肢障害者向けのパラマラソン部門も設けられており、障害の程度に応じたクラスで競技が行われます。ガイドランナーとの連携、専用スタート時間、医療スタッフの常駐などサポート体制が充実しています。
共生社会モデルとしての役割
市民マラソンでインクルーシブな仕組みが機能している点は、2026年に愛知で開催される第5回アジアパラ競技大会とも共通しており、都市型大会での共生社会実現に向けた象徴的な事例です。
第5回アジアパラ競技大会と同様、誰もが挑戦できる競技環境を目指す取り組みが特徴的です。
大会のボランティアと運営体制
ボランティアの役割と人数
東京マラソンでは毎年約1万人以上のボランティアが大会運営に関わります。給水所、案内、ゴールエリアの誘導、医療サポートなど役割は多岐にわたり、事前に研修が行われた上で現場に配置されます。
大会運営と安全管理
主催は東京マラソン財団。警視庁・消防・医療関係団体と連携し、大規模な群衆対応マニュアルに基づく安全管理が実施されます。熱中症対策や緊急搬送体制なども年々強化されています。

観戦のコツと沿道応援マナー
観戦におすすめのスポット
浅草雷門、日本橋交差点、銀座四丁目、東京駅前などはテレビ中継にもよく映る人気スポットです。早朝から場所取りが必要な箇所もあるため、事前の下見と時間管理が重要です。
応援マナーと注意事項
拡声器や太鼓などの使用には制限があります。選手の集中を妨げない範囲で、拍手やボード応援が推奨されています。小さな子ども連れの方は後方からの観戦を心がけましょう。
天候・装備と当日の注意点
例年の気候と気温
3月上旬の東京は、平均気温が8〜12℃、湿度も安定しており、マラソンには最適な時期とされています。雨の確率は低いものの、北風が吹く日には体感温度が大きく下がります。
ランナー・観客双方の装備
ランナーは風除けのあるウェア、薄手のグローブやアームカバーが有効です。観客は防寒対策に加え、長時間の観戦を想定したクッションやカイロの持参を推奨します。
チャリティ活動と社会貢献性
チャリティランナー制度
参加費に加えて一定額以上を寄付することで優先出場できる制度があり、寄付金は医療・教育・防災などの団体に分配されます。2025年は30以上の寄付先が予定されています。
地域社会への貢献
チャリティ以外にも、清掃活動、フードロス削減、交通規制周知キャンペーンなど、地域と連携した社会貢献型の取り組みが進められています。
記録証・リザルトの確認方法
完走者への記録証配布
完走者には、大会翌日にデジタル記録証が配布され、公式サイトからダウンロードできます。希望者には有料で紙ベースの証明書も提供されます。
リアルタイム速報と公式記録
当日はランナーごとの通過タイムが5kmごとに速報配信され、家族や友人が応援しやすい仕組みが整っています。正式な結果は大会終了後48時間以内に確定され、世界陸連に報告されます。
完走メダル・フィニッシュ後の流れ
フィニッシュ後の導線
ゴール後はリカバリースペースに誘導され、水分補給、タオル、保温シート、完走メダルの授与が行われます。その後は手荷物受け取りエリアへ移動し、混雑を避けながら解散します。
メダルとフィニッシャータオル
2025年モデルのメダルは「都市と自然の共生」をテーマにしたデザインで、フィニッシャータオルもオリジナル柄で限定配布される予定です。
交通規制と都市機能への影響
大会当日の交通制限
都内主要道路は午前6時〜午後16時ごろまで段階的に通行止めとなり、バスやタクシーのルート変更が実施されます。特に銀座〜東京駅周辺は観光地でもあるため、事前の確認が重要です。
周辺施設や観光への影響
美術館や飲食店、観光施設の開館時間にも影響が出る場合があるため、大会日を含む週末は公式案内や地元メディアの発表に注意を払いましょう。
メディア放送とライブ中継
地上波・BS放送の概要
フジテレビ系列で全国放送される他、NHK-BS、JSPORTSでも中継が予定されています。レース後半は特に注目選手の勝負が展開されるため、ゴールまで見逃せません。
オンライン配信とSNS
大会公式YouTube、TVer、Twitterライブなどでも配信があり、視聴環境を選ばず楽しめます。公式X(旧Twitter)では、選手コメントや速報、舞台裏の動画も多数公開予定です。
よくある質問(FAQ)
東京マラソン2025はいつ開催されますか?
大会は2025年3月2日(日)に開催予定です。スタートは午前9時10分、フィニッシュ制限時間は7時間です。
参加するにはどうすればいいですか?
一般枠は2024年8月頃に公式サイトでエントリーを受け付け、抽選で出場者が決まります。当選通知は10月に行われます。
どこからどこまで走るのですか?
東京都庁前をスタートし、日本橋、浅草、銀座などを通り、東京駅前・行幸通りでフィニッシュする都市型フルマラソンです。
抽選に外れた場合でも参加できますか?
チャリティランナー枠、準エリート枠、クラブ会員優先枠など、複数の出場ルートがありますが、すべて数に限りがあります。
完走メダルはもらえますか?
制限時間内に完走すれば、全員にオリジナル完走メダルとフィニッシャータオルが贈呈されます。
観戦は自由にできますか?
沿道観戦は自由ですが、混雑が予想される地点では事前の場所取りや交通制限への配慮が必要です
車いす部門はありますか?
はい。男子・女子の車いす部門があり、エリートアスリートが先行スタートで競技を行います。
パラマラソンには誰が出られますか?
視覚、上肢、下肢などの身体障害のある選手が出場できます。クラスごとのガイドラインに基づいて認定されます。
天候による中止はありますか?
台風や地震などの自然災害がない限り、原則として雨天決行です。気象警報レベルによっては大会中止の判断もあり得ます。
ライブ配信はどこで見られますか?
YouTube、TVer、フジテレビ系の公式サイト、SNSを通じて、全コースがライブ配信される予定です
交通規制はありますか?
大会当日は都心部を中心に広範囲な通行止めが実施され、公共交通機関の一部も臨時ダイヤとなります。
地方からの参加者に向けたサービスは?
遠方からのランナー向けに、提携ホテルの宿泊プランや荷物預かり所、会場までの送迎案内が整備されます。
子どもと一緒に観戦できますか?
はい。ただし、混雑が予想されるエリアではベビーカーや長時間滞在は非推奨とされており、キッズエリアの利用がおすすめです。
英語対応はありますか?
公式サイト、アプリ、会場案内などは英語対応しており、海外からの参加者や観戦者も安心して利用できます
次回大会の開催予定は?
例年通りであれば2026年3月の第20回大会が予定されています。詳細は2025年秋に発表されます。
Post Comment